JAKEN『COME BACK』は、重厚なベースラインとタイトなドラムパターンが印象的なトラックである。ビートはダークでありながらもどこかメロウな空気感を纏っており、90年代のニューヨークヒップホップを彷彿とさせるブーンバップ的な質感と、現代的なトラップの要素が巧みに融合しているように聞こえる。サンプリングと思われるソウルフルな上モノが、楽曲全体に深みと奥行きを与えている。
JAKENのラップは、言葉を一つひとつ丁寧に置いていくようなフロウが特徴的だ。タイトル通り「COME BACK」というテーマが示すように、再起や復活を想起させるリリックが展開されているように感じられる。ストリートで培われたであろうリアルな視点と、内省的な言葉選びが共存しており、聴く者の心に静かに響く構成となっている。声のトーンには説得力があり、このラッパーが歩んできた道のりや経験が滲み出ているかのようだ。
HIPHOPs編集部としては、本作がJAKENというアーティストの現在地を明確に示す一曲であると捉えている。派手さよりも実直さを重視した楽曲作りは、ヒップホップ本来の魅力を再認識させてくれるものだ。深夜の一人ドライブや、自分自身と向き合いたい時間に聴きたくなる一曲である。
ビートメイクの完成度、ラップスキルの高さ、そしてメッセージ性のバランスが取れた本作は、日本語ラップシーンにおいても注目すべき作品と言えるだろう。JAKENの今後の動向からも目が離せない。